電線・ケーブルの規格の種類について

3本と2本のケーブル

電線・ケーブルには、安全性の確保や品質維持などのため、国内外で規格が定められているのです。

主な規格の種類についてご紹介します。

国内規格について

日本国内で運用されている種類は、電安法、JISが有名です。

電気用品安全法(電安法)

電気用品安全法(電安法、PSE法)とは、電気用品の製造や安全性の確保、輸入や販売等の規制について定めた法律です。

電線・ケーブルにおいても定められており、品質を満たした製品にはPSEマークがつきます。

JIS

JIS(日本産業規格)とは、日本の産業標準化の促進を目的とする産業標準化法に基づき制定された、任意の国家規格です。

電線・ケーブルにおいても用途や製品の特徴などによって複数が定められています。

国際規格について

国際規格の種類は、国際的な取引を円滑にすることを狙いとして規定されています。

ISO

ISO規格は、ISO(国際標準化機構)によって制定された、電気・電子技術の分野以外の全産業分野に関する国際規格です。

製品自体を対象とする「モノ規格」と、組織の品質・環境活動を管理する仕組みを対象とする「マネジメントシステム規格」があります。

IEC

IEC規格はIEC(国際電気標準会議)が制定した、電気・電子技術分野です。

IECは各国の標準化団体が、策定した標準を国際標準として採用しており日本でもIECとJISとの整合化が図られています。

海外規格について

海外や地域にも安全規格の種類があります。

UL

UL規格は、UL(アメリカ保険業者安全試験所)が策定する、電気製品や材料、部品に関するものです。

評価試験に合格した製品にはULマークがつきます。

NFPA70(NEC)、NFPA79

米国防火協会(NFPA)が運営する種類です。

「NFPA70(NEC)」は電気機器の配線や部品の選定基準などを、「NFPA79」はNFPA70を補うものとして産業機械について定めています。

CEマーキング

CEマーキングは、欧州連合(EU)域内で販売される指定製品に添付する義務がある安全マークです。

電線・ケーブルについてはCEの要求事項のうち「低電圧指令」が該当します。

CCC

CCCは、海外の中国向け製品に対して中国国家標準(GB)に適合していることを評価する制度のことです。

中国内の自国民の安全確保と環境保全を目的としており、CCC認証を受けた製品には証拠にマークが付けられます。

CSA

CSA規格はCSA(カナダ規格協会)によって定められた、カナダにおける電気製品・医療機器・機械・器具などに対しての規格です。

アメリカのULとカナダのCSAは相互認証が可能で、ULによって認証を取得した場合はcULマークが付与されます。

逆に、CSAによってULの適合を認められた場合には、CSA NRTLマークが付与されます。

GOST-R

GOST-Rはロシアの国家標準規格です。

ロシアに製品を輸出する場合には、輸入通関の際に「適合証明」の提示が必要となります。

おわりに

電線・ケーブルの国内外での主な種類をご紹介しました。

製品を輸出・流通させるには、その国や地域が採用している安全規格に則る必要があります。

電線・ケーブルを選ぶ際にも、それぞれのマークや認証証明の有無を確認してみましょう。