電圧降下の許容範囲について

ケーブルに電気が通っている様子

ロボットケーブルの選定に関わるポイントのひとつが、「電圧降下」です。

ロボットケーブルには長さや電気の供給方法によって、許容される電圧降下が定められています。

電圧降下とは

「電圧降下」とは広義には、ロボットケーブルを含む電線・ケーブルに電流を流す際、電線・ケーブルが持つ電気的抵抗により発熱が生じて、電圧が低下する現象のことです。

単に「電圧降下」というと電気の供給元(コンセント)と供給先との電圧差のことをさし、別名「ドロップ」とも呼ばれます。

電圧降下が起きると決められた電圧が供給先で確保できないことによって、機器の機能が低下してしまう恐れがあるのです。

仮に大きな電流を流す際に細いロボットケーブルを使用すると電圧降下が大きくなり、絶縁体の劣化・溶解や、場合によっては発火・発煙事故も起こり得ます。

ロボットケーブルで電圧降下を防止するには

電圧降下は、

・ケーブルが細い

・ケーブルの敷設距離が長い

・ケーブルを通る電流が多い

ほど、大きくなります。

そしてロボットケーブルは太いほど、電気抵抗値は小さくなります。

したがって、著しい電圧降下を発生させないようにするためには、

・電気の供給元と供給先の距離(ロボットケーブルの敷設距離)を把握すること

・負荷電流を確認すること

・供給元と供給先の距離を基に、ロボットケーブルの導体サイズを適正に選定すること(敷設距離が長い場合は太めのロボットケーブルを選ぶこと)

が必要です。

ロボットケーブルにおける電圧降下の許容範囲

電気の安全を守る規格のひとつである「内線規程」の1310節には、電圧降下の許容範囲や、電圧降下計算式などが定められています。

<許容される電圧降下>

「供給変圧器の二次側端子 又は 引き込み線取り付け点から最遠端の負荷に至る間の電線こう長」に対し、許容電圧降下について

電気使用場所内に設けた変圧器から供給する場合の割合……(1)

電気事業者から低圧で電気の供給を受けている場合の割合……(2)

は下記のとおりです。

・60 m以下 幹線:(1)3 %以下 (2)2 %以下

・60 m以下 分岐回路:(1)2 %以下 (2)2 %以下

・120 m以下:(1)5 %以下 (2)4 %以下

・200 m以下:(1)6 %以下 (2)5 %以下

・200 m超過:(1)7 %以下 (2)6 %以下

おわりに

ロボットケーブルを選定する際は、電圧降下が許容値に収まるよう考える必要があります。具体的な電圧降下計算式を知りたい方は、太陽ケーブルテックの技術資料をご参照ください。