IEC規格とは?

港での物流・貿易イメージ

科学技術が進み続ける現在、世界各国では産業製品の技術的な条件・要件が規格として定められていて、規格を国際的に標準化する取り組みが盛んです。電気や電子分野においても規格の標準化の動きが見られており、中でも近年ではIEC規格が注目されています。今回は、IEC規格についてご紹介します。

IECとは?

IEC(International Electrotechnical Commission)は、電気工学や電子工学、さらにそれらに関連した技術の標準化に取り組む国際的な団体です。1906年にアメリカ、イギリス、イタリア、オーストラリア、オランダ、カナダ、スイス、スペイン、ドイツ、日本、ハンガリー、フランス、ベルギーの13カ国によって発足しました。

現在IECは準会員を含む84カ国で構成されていて、日本の代表として参加しているのは「日本工業標準調査会(JISC/JISを制定している機関)」です。このようにIECは、世界中の規格標準化機関から成り立っている団体ということができます。

適合評価はCAB(Conformity Assessment Board)という適合性評価委員が行います。適合性評価委員の他にもTC(Technical Committee)という専門技術委員会があり、それぞれの技術分野に関して規格を開発しています。

IEC規格とロボットケーブル

IEC規格

IEC規格はIECによって制定される規格で、主に電気に関して制定された規格の統一と強調を目的としています。各国で制定されている規格は、IEC規格と整合性をとることが義務づけられています。

IEC規格とロボットケーブル

ロボットに関する電線やケーブルに関しても、IEC規格が制定されています。具体的には、裸線(アルミ・銅導体)、巻線、電力ケーブル、通信ケーブル、高周波ケーブル、光ファイバーケーブルなどがIEC規格の対象となる製品の例です。

まだある国際規格「ISO」

国際規格はIEC規格だけではありません。以下では、もう1つの代表的な国際規格である「ISO」についてもご紹介しておきましょう。

ISO規格

ISO規格は国際標準化機構(International Organization for Standardization)が制定する規格群です。IEC規格は「電気に関する国際規格の標準化」を目的としているのに対し、ISO規格は電気以外の分野に関する国際規格の標準化を目的としている点に違いがあります。

ISO規格とロボットケーブル

ロボットケーブルの中では、電線・ケーブルでは、裸線(地金)、自動車用電線などにISO規格が制定されています。

おわりに

ロボットケーブルに関連した代表的な国際規格であるIEC規格についてご紹介しました。ロボットケーブルを含む電気・電子分野において規格の標準化が進んでいます。ロボットケーブルを購入・使用する際は、ぜひ国際規格の適合についても確認してみてください。