2018.11.19規格関連

NFPA70,79について

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配線確認する男性

米国では機械に使用するケーブルについて、選定基準となる規格が設けられており、米国に機械を輸出する場合はこの規格に関してよく理解しておく必要があります。今回は規格および基準を運営している「米国防火協会(NFPA)」の概要や、NFPAが発行する米国電気工事基準「NFPA70」と産業機械の電気規格「NFPA79」についてご紹介します。

 

米国防火協会(NFPA)とは?

米国防火協会(National Fire Protection Association:NFPA)は、1896年に設立された防火に関する米国の非営利組織です。当初は、スプリンクラーの規格管理を行っていましたが、現在はスプリンクラー以外にも多くの製品の防火に関する規格や基準を管理しており、その数は300以上に及びます。

 

米国の法律は、米国全土に適用される連邦法と州ごとに適用される州法によって構成されます。米国には日本の消防法に該当するような防火に関する連邦法はなく、各州が独自のルールを設けていますが、定めているのは消防用機器の基本的な仕様・基準のみで、それ以外についてはNFPAの規格や基準に準拠することになります。

 

NFPA70について

NFPA70は、NFPAが運営する米国電気工事基準です。NEC(National Electrical Code)とも呼ばれ、日本の電気設備技術基準に該当します。電気機器配線の防火・安全について規定されており、米国の各州で電気安全に関する州法として採用されている規格です。ケーブルをはじめとする、重要部品の選定基準が記載されています。

 

NFPA70の適用範囲

NFPA70は、電気導体や電気導体を部品とする機器、公共の施設や私的な建築物に設置された電気設備などに対して適用されます。

人や設備の安全を実践的に確保することが目的ですが、効率や利便性については考慮されていません。

一方で産業機械については、建物よりも複雑で特殊な電気配線が必要となってきます。

そこでNFPA70の適用範囲外の事項についても安全性を確保するため、産業機械に特化した規格であるNFPA79が生まれました。

 

NFPA79について

NFPA79(Electrical Standard for Industrial Machinery)は、産業機械の電気配線に関する規格で、NFPA70の内容を補うものです。NFPA70と同様にケーブルなど重要部品の選定基準について定められています。

 

米国で使用する産業機械の部品は、NFPA70およびNFPA79の基準に達していなければなりません。NFPA70およびNFPA79とも内容が変更されることがあるため、産業機械の製造者、輸出業者には定期的な確認が求められます。

 

NFPA79の適用範囲

NFPA79は600V以下の電圧で動作する機械の電気、電子機器に適用されます。

生命や財産を保護する目的のもとに作られた規格ですが、技術の進歩を抑制するものではありません。

電線・ケーブルについてのNFPA70,79の適用範囲

例えば産業機械を有する工場でいえば大まかに、下記のように規格を参照します。

 

・産業機械自体に配線される電線・ケーブルについてはNFPA79

・その他機械の制御盤までなど、建物に配線される電線・ケーブルについてはNFPA70

 

NFPA70,79の改定頻度

NFPA70は、2008年、2011年、2014年、2017年といったように3年ごとに改定されています。一方NFPA79は、2007年、2012年、2015年、2018年に改定が行われました。

米国では州ごとに法制化がなされ、NFPAを採用している州も存在します。

NFPA規格はほぼ3年ごとに改定となるため、メーカーはどの州がどの版の規格を採用しているのかを逐一調査しなければなりません。

 

 

 

改定に注意すべき理由

メーカーはそれぞれ輸出先の州の法に則った製品を輸出することになります。

ただNFPAを法に取り入れている州であっても、NFPAの最新版が法に反映されているとは限らず古い版のままということもあります。

そのため、使用可能と考えていたケーブルが実は使用不可だったという事態も起こり得るのです。

例えば過去のNFPA79の改定でも、それまでは使用可能だったAWMケーブルが使用禁止になり、その後の改定で一定の条件下で規制緩和され、メーカー側に混乱を招いたというケースがありました。

輸出先の州ごとに異なる法を調査することはメーカーにとって大変な労力がかかることですが、米国ならではのリスクを避けるためには必要なのです。

米国は訴訟大国であるためです。

仮にメーカーが輸出した製品が米国で何らかの事故を起こしたとします。

その後、製品が州の法律に適用されている版のNFPAの規格を満たしていないと判明した場合、輸出先の企業がメーカーに対して訴訟を起こす可能性があるのです。

 

おわりに

今回ご紹介したNFPA70,79は、米国の各州で採用されている規格・基準です。

NFPA70,79のどの版が法に採用されているかは、州によって異なります。

米国で使用される機械はこれらに準拠している必要があるため、米国へ輸出する機械を設計する際は、NFPA70,79に対応したケーブルを選ぶようにしましょう。

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太陽ケーブルテック株式会社編集部

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